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和紙のことを知る

手漉き和紙は、ただの紙ではない。その良さを知って発想を広げよう!

2016.09.14
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どうも、4代目(候補)の大上です。

和紙には、機械抄きと手漉きの両方があります。 機械は単価が安く、手漉きは高い。
和紙でのモノづくりの現場では、「手漉きはいいんだけど、予算がねえ・・・」 という話によくなります。 事実、今日本で流通している和紙商品の90%以上は機械抄きです。 これ、「紙でできること」という既存の枠組みで手漉き和紙のことをとらえるから、こうなるんです。

例えば便箋を作るとなったら、正直なところ手漉きのメリットはほとんど生かされないまま、値段の勝負になります。 私は、しっかりと楮(和紙の原料。繊維が長い)を使った手漉き和紙は、むしろ布や革に近いという認識を持っています。 機械抄きと比べると、はるかに上の強度をもっているのです。 名刺入れやブックカバー、クッションやかばんなど、いろんな場面に使って行けます。

今回は、そんな手漉き和紙の魅力をご説明していきます。
目次
・手漉き和紙の強さの秘密
・和紙が活用されてきた歴史
・革や布と比べてみたときのメリット・デメリット
・新たなジャンルを育てよう

京都・黒谷の手漉き和紙を使ったクッション

手漉き和紙の強さの秘密

手漉き和紙は、その名のとおり手で漉かれた紙です。
長い繊維である楮を主原料に、しっかりと「流し漉き」という日本独特の漉き方で漉かれた和紙の強度は、すごく強いです。
何故強いのか。
それは、簀という道具の中で繊維が何度も絡むから。 洋紙や機械抄き和紙は、この絡みが手漉き和紙に比べると圧倒的に少ないのです。 そこに、柿渋やこんにゃくのりなど、強度を上げるためや毛羽立ちを抑えるための材料を塗布し、より強靭になります。

和紙の原料である楮

かつては紙衣(かみこ)という服にもなっていた

そうしてできた強靭な和紙を、手で揉み、足で踏み。
和紙はそうした過程で、柔らかくなっていきます。 それを縫製したものを、平安時代中期ごろからは衣服として着用するようになりました。
当時は、絹の衣よりも安価であったため、低所得な人に着られていたと言われることもありますが、 丈夫で軽く、持ち運びにも優れるということで、武士や俳人などは好んで使用したそうです。 浄土真宗の宗祖である親鸞聖人や、松尾芭蕉も好んだという記述もあります。

しっかりと揉んでいくことで柔らかくなります

他の素材と比べてみたときのメリット・デメリット

現在では、紙衣はほとんどなくなってしまいました。
手漉き和紙を漉く人が減り、需要も落ち、紙そのものも高くなってしまいました。 今紙衣を作ろうと思うと、かなりの金額になってしまうことが予想できます。 ほかにいくらでも安く作ることが出来る素材が登場したので、仕方ありません。
しかし、魅力的な部分もたくさんあるように考えます。
手漉き和紙は、革の良さと近いのではと考えます。 使い込むほどに、革は味が出てきますよね。 自分好みに育てていく、そんな楽しみがあるので、普通の素材のものよりも高いですが、愛され続けています。 手漉き和紙の場合は、使い込むと柔らかくなっていきます。 どんどん手になじむようになります。 使い込んでいくと、毛羽がたってきてしまうのですが、そんな時は再度こんにゃくのりを塗布してあげると、また美しい姿に戻ります。 ここらへんも、手入れが必要な革靴なんかと似ています。水濡れも基本的にはNGですしね。
そして何より、和紙は革に比べて、格段に軽いです。 強度は、やはり革に比べると落ちますが、この軽さが魅力です。

ミシンも、和紙は通ります

新たなジャンルを育てよう

手漉き和紙の良さは、
・強度がある
・軽い
・天然の繊維から出来ている
・使い込むほどに柔らかくなる
布や革、それに化繊なんかとも、また違った新たな素材として捉えることが出来ないでしょうか。
適材適所。
何が「本当」の和紙なのか。機械がダメで手漉きがよい、とか、原料は楮じゃないとだめ、などというのは、 使う用途をないがしろにしていると思います。 手漉き和紙の良さを本当に活かすのは、このようなジャンルなのではないかと思っています。 いつか素材選びの時に、「布かな、革かな、それとも和紙かな」なんて言えればいいですね。

以上、4代目(候補)の願望交じりの手漉き和紙の話でした!

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