うるわしについて
うるわしは、あなたの生活に「上質でユーモラスなコミュニケーション」をご提供する、和紙の専門メディアです。あまり身近には感じないかもしれない和紙が、実はあなたのお役にたつこと。そして、その裏側には職人さんたちの長年の技があること。それを、日々お伝えし、実際に手に取っていただければ、と思っております。
ご来訪いただいたあなたへ
はじめまして、代表の大上陽平です。「うるわし 和紙と暮らしの読みもの&オンラインストア」へお越しいただき、誠にありがとうございます。
2009年、島根県の石州半紙がユネスコ世界無形文化遺産に登録され、2014年に岐阜県の本美濃紙と、埼玉県の細川紙を加え、「和紙 日本の手漉き和紙技術」として追加の登録がなされました。
でも、それからの間で、周りに和紙が増えたなあ、という感覚をお持ちの方はあまり多くないのではないでしょうか。この登録に象徴されるように、日本の手漉き、そしてそこから派生してきた機械抄きの紙づくりの技術が非常に高いのは明白です。ならば、なぜ身の回りにないのでしょうか。
どこかで自分とは関係のない世界で起こっていること、という風に思われているのかもしれません。和紙なんて、小学校の時の書道で触って以来だなあという人も多いのではないでしょうか。それでは、すごく勿体ないんです。全国にいる心血を注いでいい紙を作り続ける人は、何も自己満足のためにやっているわけではありません。使ってくれる人を思って、紙を抄いているのです。和紙を使うことで、デジタルにはない特別感が演出出来たり、無機質になりがちな書類も一気に華やかになったり。心を込めて贈りものをしたり。「上質でユーモラスなコミュニケーション」をお手伝いできる。和紙はそんな素材です。
「うるわし」を運営する株式会社オオウエは、和紙の問屋として1948年に創業しました。それ以来、作り手の人たちと一緒になって、どうやったら和紙をいろんな方に使っていただけるのかを考えてきました。今求められているのは、「和紙を使う人」「和紙を武器にできる人」がたくさん出てくることです。どんなにすごい技を持った職人さんも、使ってくださる方がいなくなれば、廃業するしかないんです。
「うるわし」というサイト名には、二つの思いを込めました。一つは、和紙はあなたに「うるわしい」生活をもたらす素材ですということを、伝えたい。そして、もう一つは、和紙は博物館に飾られるだけではなく、楽しく、そして役に立つものである、すなわち大切なお金を使って買ってもらうに値するものである、という想いです。我々のパートナーである職人さんたちは、「和紙を、作る人」。そして、私は「和紙を、売る人」。すなわち、「うる、わし」です。
そうです、ダジャレです。しかし、ここには自戒の念もこもっています。優れた物さえ生み出していれば、誰かが買ってくれる。そんな風に思って今までお仕事をしてきました。しかし、その優れた物が、あなたの「役にたたない」もの、あるいは「知らないもの」であれば、当然買ってもらえない、ということを、長い間見過ごしてきました。
このサイトでは、ただ商品や紙を並べておしまい、ということはしません。どこで作られた和紙で、どんな思いがあって、どんな場面で、あなたに有効なのか。そんなことを、一つ一つしっかりと綴っていきたいと思っています。私は、全国に散らばる素晴らしい技を持った職人さんたちの代弁者だと思っています。そして、同時に、お使いになられるあなたの代弁者にもなりたいと思っています。文化というのは、そうやって作り手と使い手がコミュニケーションをとることで成長してきました。「うるわし」を、そんな相互の交流の生まれる場所にしていきたいと思っています。