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和紙と印刷機
和紙って印刷できるの?印刷の方法別のまとめ:その2
どうも、大上です。
前回に引き続き、今回も印刷機別に見ていきましょう。
今回は、以下の印刷方法をご紹介します。
・オンデマンド印刷
・活版印刷
・シルクスクリーン印刷
・リソグラフでの印刷
・箔押し
・まとめ
オンデマンド印刷
最近の印刷業界の話題は、こちらの機械がもちきり。
版を作らない印刷方法なので、初期費用がかかりません。 1枚当たりの単価が、少部数でも大部数でもあまり変わらないので、少部数に有利です。
和紙の場合は、そんなにたくさんの部数を刷らないことが多いので、オンデマンド印刷の台頭はすごく期待が持てます。 レーザープリントと同じで、トナーを熱で圧着しますので、にじみなどはあまりありません。
そんなオンデマンド印刷ですが、極端に薄い、厚いというものでなければ、機械の設定次第で印刷が可能です。 また、表面の凹凸具合によっても、トナーのノリは変わります。 オンデマンドの場合、特有のテカリもデザイナーさんはよく気にされます。
和紙自体に凹凸があり、テカリが目立ちにくいという特性があります。 あとは、和紙を通したことがないという印刷屋さんも多いので、一度紙を見せて、テストをしてもらうといいですね。
活版印刷
和紙との相性がとてもいいです。
こちらも給紙はオフセット印刷と少し似てはいるのですが、構造的なことなのか、職人さんの腕なのか、はるかにいろんな和紙を印刷してくれます。
昔から和紙の便箋などを印刷されていた会社さんならば、より紙のことを理解してくれます。
ハンコのような凸版を作り、圧をかけて押していくので、印刷面にへこみを付けることも可能なのがこの印刷の特徴です。
また、耳付きの和紙の印刷も可能なのは活版の特徴です。(もちろん、ズレたりすることも多い)
和紙の製品を作りたいとなったときに、どうしても和紙の風合いにこだわりたいとなったら、 前回記事のオフセット印刷(手差し)か、この活版印刷、それに次項のシルクスクリーンを使用します。
シルクスクリーン印刷
水や空気以外なら、なんでも印刷できるという謳い文句のシルクスクリーン印刷。
穴の開いた版にインクを載せ、印刷したい部分だけ穴からインクが落ち、紙に印刷することが出来ます。
これも、紙質を選ばない印刷の代表です。 千代紙や友禅紙などは、この手法で印刷されていることが多いです。 手作業による部分が多いので、ちょっとコストが上がるのと、版代も結構してしまうのがネックなのですが、 独特の質感と、はっきりとした色が出せるため、人気があります。
リソグラフでの印刷
聞きなれない名前かもしれません。
実は、チラシなどを印刷するスピード印刷です。レトロな味わいを持った印刷が可能です。
給紙は、レーザーよりも優秀です。薄い和紙も可能です。
リソグラフも、シルクスクリーンと同じく穴の開いた部分にインクを載せていく孔版印刷の一種です。 なんといっても、コストが安い。
選べる色も決まってくるのですが、それでも問題ないという方には、非常にお勧めです。 和紙の柔らかな質感と、レトロな印刷具合の相性がたまりません。 こすったりするとインクが落ちてしまうのが難点なので、事前に告知しておく必要があります。
箔押し
印刷、というか加工ともいえるかもしれません。
和紙はふわっとした印象なのに対し、箔押しはシャープです。 このギャップがたまりません。 自動で給紙するケースと、手押し、両方あります。
写真の吉野の和紙は、手押しでしていただきました。 箔のつき方などで紙の差は出るのですが、基本的にはどんな和紙でも相談する価値はあります。 ワンポイントで目立たせたいときに最適です。
まとめ
前回のオフセット印刷やインクジェット、レーザーに引き続き、印刷機と和紙についてご説明しました。
印刷を知ればもっともっと和紙が使いやすく楽しくなります。 とはいえ、ややこしく、厳密にどの和紙がどの印刷機に向いているかというのは、正直なところやってみないとわからない部分もあります。 日々、試していくことをお伝えできればと思っております。
以上、印刷機と和紙についてのまとめでした!
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