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和紙と印刷機

和紙って印刷出来るの?印刷の方法別のまとめ:その1

2016.09.12
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どうも、大上です。

和紙って印刷できるんですか? ということを、よく聞かれます。
和紙は以前のブログよりお伝えしている通り、様々な種類がございます。 おそらく、イメージの中での和紙は、手で漉かれていて非常に荒々しく、厚みも均一ではない、などというものでしょう。
我々の主に扱う機械抄き和紙は、ある程度印刷に向いています。 印刷機によっても違うので、今回はそれぞれの特性と、可能な和紙を見ていきましょう。 2回にわたってお伝えします。

今回は、以下の内容となっております。

目次
・インクジェットプリンターでの印刷
・レーザープリンターでの印刷
・オフセット印刷(自動給紙)
・オフセット印刷(手差し)
・まとめ

インクジェットプリンターでの印刷


意外に思われるかもしれませんが、実はインクジェットプリンターは和紙と相性がいいのです。
大概の紙は印刷が可能です。(極薄であったり極厚、それに落水紙などの穴の開いているものは難しいです)
インクジェットは、その名のとおりインクを紙に吹き付けますので、表面のもろい和紙でも直接ヘッドに接触しないところも利点です。

 

「A4折形」というサイトで作ったポチ袋。和紙にインクジェットで印刷しています

ただ、印刷は出来るのですが、染料インクの場合は、にじみ止めなどインクジェット向けの加工をしていないとにじみます。 それも味と捉えるならばよいのですが、和紙は繊維が長く目も粗いので、にじんでしまうことが多いです。
顔料インクのプリンターですと、比較的きれいに印刷が可能です。

レーザープリンターでの印刷

オフィスなどに置いているプリンターです。
こちらは、インクジェットよりも、守備範囲は狭くなります。
やや薄いくらいから、やや厚い紙まで、くらいでしょうか。 分かりづらい表現で申し訳ありません。 レーザーのメリットは、トナーを熱を使って紙に固めますので、にじみなどはないことです。
なので、にじみ止めをしていない和紙でも印刷が可能です。
しかし、にじみ止めを使っておらず表面強度があまりない和紙ですと、大量に通していくと、機械の中に紙紛がたまってしまいます。 一度に大量にせず、印刷前には紙の表面を何度か払ってあげてからセットすると良いです。
余談ですが、インクジェットプリンター専用紙を作る際に使う薬品が熱に弱いことが多く、インクジェット専用紙をレーザーに使ってはいけないのは、熱を使うことが理由です。

レーザープリンターにて印刷。プレゼン資料などに役立ちます

オフセット印刷(自動給紙)

こちらが最も使われている印刷方式です。
一般の方にはあまりなじみがないと思われますが、紙・印刷・デザイン業界の人たちにとっては、印刷といえばオフセット印刷です。
詳しいオフセット印刷機の構造については割愛しますが、要点だけ。
なぜ、(自動給紙)と書いたかというと、次には手差しが来るからです。 自動給紙の場合、何千枚という紙をセットしておくと勝手に紙を送っていって印刷してくれます。 その送り方に、和紙の性質と反する部分があります。
紙を給紙するときに、吸盤のようなものでエアーを使って吸い上げるのです。 そうすると、紙が浮き上がり、どんどんどんどん印刷の方へ送られていきます。
しかし、和紙は長い繊維を絡めて作るという性質上、微細な穴がたくさん開いてる状態なので、空気が抜けてしまうのです。 障子紙が湿度を調節してくれたり、ランプシェードが柔らかい光が漏れるのも、この性質からなのですが、印刷の場合にはこれが裏目に出てしまいます。紙が自動で通っていかないのです。
なので、この穴を詰めてあげるにじみ止めの役目をするサイズ剤と呼ばれる原料が入った和紙を選ばないといけません。 それと、短い繊維を多用した和紙を使うことで、空気の抜けを防ぐということも考えられます。
ここが大きな問題なのですが、このサイズ剤がたくさん入った和紙や短い繊維を使った和紙というのは、一般的に固かったり、つるつるした手触りだったりします。 一般の人がイメージする和紙とは、大きくかけ離れてしまいます。
印刷機に対応しようとしすぎた故に、和紙のアイデンティティーを失いつつあるのです。 和紙メーカーさんたちは、和紙らしい風合いを残しながらも、オフセット印刷の自動給紙に対応する和紙の開発を進めています。 うるわしの紙のページでいうと、レーザープリンターに対応した和紙が、オフセットにも可能なものと重なるものが多いです。

オフセット印刷で印刷した福井の越前和紙。表面は堅めです

オフセット印刷(手差し)

手で紙をセットして印刷していく方法もあります。
そうすると、エアーが抜ける問題もなくなりますので、より広い種類の和紙の印刷が可能になります。 和紙便箋などを印刷する場合には、こういった会社を使います。
しかし、世の中は効率化や機械化でどんどん進化していきます。 手差しでやっていては効率もあがりませんので、ホームページも持たないような小規模の会社さんが大阪でも数軒あるくらいです。

まとめ

和紙と印刷機の関係について、レーザープリンターやインクジェットの個人でも出来るものから、オフセット印刷という商業印刷までご紹介しました。
次回は、新進気鋭のオンデマンド印刷や、活版印刷についてご説明します。 印刷を知れば、和紙の世界はもっと広がります

以上、大上がお送りしました!

 

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