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顔の見える和紙の伝え手であるために、動画を作りました。

2016.09.21
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どうも、4代目(候補)の大上です。

和紙の仕事をしていて、いつも思うことがあります。 それは、紙の質感もそうだし、職人さんの努力、それに我々自身を写真や文章だけではうまく表現できにくいこと。

その場に流れる空気感などを感じていただけると、和紙の魅力はすごく伝わります。
しかし、産地は全国にありますので、なかなか一つ一つ一緒に回ることは難しいです。
そんなとき、大学の後輩である高嶺翔太くんが動画作家をしていることを知りました。

 彼の動画に登場する風景や人物は、実にいきいきとしていました。 そして、単純にかっこいい!
そんな彼に一緒に産地に行ってもらい、職人さんのことを一人でも多くの人に伝えたい、と思いました。

今回訪れて撮影させていただいたのは、福井県越前和紙の山田兄弟製紙さん、高知県土佐和紙の高岡丑製紙研究所さん、鳥取県因州和紙の中原商店さん、 徳島県阿波和紙の富士製紙企業組合さん。そして、弊社です。

新しい和紙を開発したり、日ごろから親しんでいる和紙だったりを開発・製造する人たちに改めて取材をするにつけ、日本の和紙をもっと多くの人に伝えなければと いう想いを新たにしました。 この動画は、問屋であるオオウエの事業と、新しいオンラインショップ、それに各産地での和紙作りについて紹介しています。

和紙の原料である三椏の花。徳島県阿波山川にて。

創業は1948年、手漉き和紙の卸から始まっています

戦後、四天王寺さんから土地を分けてもらい、事業をスタートしました。
私の祖父の、そのおじさんが創業者です。 問屋というのは、和紙メーカーと製品メーカーさんの間をつなぐ存在です。 実際には紙は抄いていないけど和紙メーカーと同じように和紙について話し、 実際には商品は作っていないけれど、製品メーカーさんと同じように和紙をどう活かすか考える。そんな仕事です。

弊社は、伝統的に天王寺の地で各産地からの和紙の在庫を保管してきました。 倉庫を切り盛りするからには欠かせない倉庫・配送部門。 30年にわたってそこを支えてくれるのが中平です。 そして、製造管理から営業までなんでもこなすのが、写真右の高島です。 お客様のご要望に、いつも真摯に耳を傾け、最適な提案が出来るように努めています。

左:30年にわたり、オオウエの倉庫や配送を支えてきた中平
右:営業担当と生産管理という両極の仕事をこなす高島

和紙は全国の産地から

自然豊かな土地に育まれた和紙を仕入れています。
綺麗な水があるところで、美しい和紙は生まれてきます。 弊社の仕入れ先は、四国が一番多く、その次に越前や美濃、因州と並びます。 どこも、自然豊かで食事がおいしい! 出張に行くのがいつも楽しみなんです。 和紙屋をやっててよかったと思う瞬間です(笑)

左:高知県の仁淀川。日本一美しいと言われています
右:福井県越前。紙の神様のいらっしゃる町です。

問屋事業と製品事業

うるわし運営会社であるオオウエでは、2つの事業をしています。
一つは、和紙そのもの。 モノづくりをするメーカーさんや、神社仏閣関係のお客様に、原紙を販売しています。 弊社は、アートや書道などの和紙ではなく、比較的廉価な印刷できる和紙を得意としてきました。 なので、お取引は機械抄き和紙メーカーさんが圧倒的に多いです。

もう一つは、製品作り。和紙田大學やoffなど、少し変わった製品作りを心掛けています。 問屋であるはずが、製品作りをしてしまっているのです。 旧来の、ある程度の市場があるものを作るのではなく、今まであまり見たことのないような商品を作り、市場の拡大に努めたいと考えています。

左:紙名の貼られたA4の和紙サンプル
右:和紙田大學ブランドのコレッポチというポチ袋

今回のうるわしサイトの目的

実は、家庭のプリンターでも和紙は印刷できます。 気持ちを伝えるのに、和紙はもってこいの素材です。 発売はまだなのですが、両面に万年筆で書けて印刷出来たりする和紙とか。 我々は、常に今の時代にあった和紙の使い方を模索しています。
こうしたコンテンツを通じて、全国には素敵な和紙作りがあって、それを「実際に使ってみたいな」。 そう思ってもらえることが一番の使命です。

左:パソコンのデータ
右:数種の和紙で印刷。どれも風合いが変わります。

4代目(候補)、決意する

もう、こんなにもインターネット上に登場してしまいました(笑)
逃げも隠れもせず、和紙の面白さや良いところ、反対に悪いところなどを、顔を出しながらきっちりとお伝えしていこうと決意しました。
結構和紙ってブラックボックスに入っているがゆえに不透明な部分も多いんです。 海外で漉いているものだったり、違う産地名が入っていたり。 正確で見ていて面白い情報をお伝えしながら、次々と企画を練っていきたいと思っております。 今後ともどうぞよろしくお願いします。

因州和紙の中原商店さんと和紙について話す四代目(候補)

変わった製品の代表例

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