連載01:
産地の職人の動向

両面印刷可能な和紙を作る。越前和紙の里より、動画をお届けします

2016.09.26
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どうも、大上です。

和紙の産地の王様と言えば、皆さまご存知の通り越前和紙の里です。 でも、その作り方などが多岐にわたることはあまりご存じないかもしれません。
越前和紙の里は、和紙作りのデパートです。 人間国宝による手漉きが行われているかと思えば、機械抄きによる製造も行われています。

今回は、両面印刷に向き、かつ筆記も可能な和紙を、山田兄弟製紙さんとともに作りました。 こちらの和紙は、順次当サイトでも販売を始めていきますので、お待ちいただければ幸いです。

目次
・福井県越前和紙の里の山田兄弟製紙
・両面印刷対応のオンデマンド印刷用和紙
・手漉きから機械抄きへ。それでも変わらぬ職人の重要性
・竹簀の優しい風合いと、万年筆対応
・まとめ

山田兄弟製紙の山田社長は、いつも私のわがままを聞いて解決策をくださいます。

福井県越前和紙の里の山田兄弟製紙

お伺いしたのは、2月のとても寒い日で、雪が降りしきっていました。
越前には、全国でも珍しい紙の神様をお祀りする岡太神社があります。 山田兄弟製紙さんは、越前市不老町というところで1882年より紙漉きをされています。 電子化するまえの証券用紙を手掛けたりと、技術力に大変定評があります。

左:雪の降る越前和紙の里
右:紙の神様を祀る岡太神社

両面印刷対応のオンデマンド印刷用和紙

和紙と言うのは、その製法上、片面がつるっと、もう片面がざらっとするという特性があります。
この特性により、本来は冊子などのプリントには向かないとされてきました。

山田兄弟製紙さんには、表裏差を残しながらも、その両方が印刷に対応できるようにしてもらいました。
レーザープリンターやオンデマンド印刷機でもプリントが可能な和紙を作ることで、和紙の用途を広げたいと思います。

プリンター対応の和紙を作っています

手漉きから機械抄きへ。それでも変わらぬ職人の重要性

スタートは手漉きで、戦後から機械抄きを行わてています。 しかし、紙づくりというものは一筋縄ではいきません。 来る日も来る日も職人による微妙な調整を続けながら作られています。

機械の調整や、水など、人間の手が必要なことだらけです

竹簀の優しい風合い

一般に、和紙の印刷適性を上げていくと、表面を固くつるつるにすることになります。
でもそうすると、和紙の良さが消えてしまい、洋紙に近くなってしまいます。

そこで、山田兄弟製紙さんでは、紙漉きに竹簀という竹で出来た簀を用いることで、優しい風合いを出すことを可能にしました。 この竹簀を作ることのできる業者さんも職人なのですが、最近はどんどん廃業してしまい、年々調達が難しくなっているようです。

手仕事からくる温かみが残されるのも、こうした職人さんの努力があってのことなんです。 

竹簀の写真です。

まとめ

日本有数のブランド産地、越前和紙の里。 その中で、時代の移り変わりを敏感に感じ取り、モノづくりを革新していく。 このようなメーカーさんにより、日本の和紙は支えられています。

皆様のもとにこの新しい和紙を早くお届けできるように頑張ってまいります。

山田兄弟さんの和紙

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