連載01:
産地の職人の動向

和紙=薄くて強いだけではなく、厚さにも挑戦。阿波和紙の動画

2016.11.07
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どうも、大上です。

和紙と言うのは、薄くて強いというのが世界的にも認知されつつあります。
しかし、厚いものというのは、その漉き方の特性上、どうしても貼り合わせなどに頼る必要がありました。

今回、徳島で阿波和紙を製造する富士製紙企業組合さんに、コットンを利用した厚い和紙の開発を依頼しました。
厚みが出ると、名刺やポストカードなどが作れて、活版印刷なども映えるようになります。

徳島県阿波和紙の里の富士製紙企業組合

ブランドネームであるアワガミファクトリーというと、ご存知の方も多いかもしれません。
徳島県の阿波山川というところで、長年に渡って紙漉きをされています。
阿波和紙自体の歴史は、1300年にものぼるそうです。
あたりは美しい自然に囲まれ、和紙を生み出すのにとっても相応しい環境です。

 

美しい阿波和紙の里の風景

うるわしでも今後掲載していきますが、徳島県の伝統である藍染も和紙作りに取り入れています。
この美しい色は、日本だけでなく世界からも注目されています。

得意とされている藍染

富士製紙企業組合さんの特徴

機械漉き、手漉き両方を行っています。
今回、機械漉きは動画撮影がNGなため、手漉きの工場のみを撮影させてもらいました。

楮や三椏、雁皮を使用した和紙を作っています。
原料に関しては、豊かな自然を生かして楮や三椏を自分たちでも栽培しています。
特に力を入れているのが、写真印刷用の和紙です。
プロ写真家の方にも愛用されているそうで、海外でも評価が高いそうです。
うるわしでも、「ひより」というシリーズが、富士製紙さんによるものです。
一つ一つの手作業を丁寧に行い、素朴でありながらも美しい和紙が生まれています。

手漉きの工房。
左:楮のちりより
右:三椏

厚い和紙への取り組み

冒頭にもありました通り、近年は厚い和紙作りに着目していると、富士製紙企業組合の中島さんは話してくれました。
コットンや竹などの天然素材を用いることがあります。
今回のオリジナル和紙には、コットンを使用していただきました。
和紙らしい柔らかい風合いが出せるのです。
手漉きではなく、機械漉きでお願いしています。
撮影がNGなので写真などはありませんが、機械漉き部門の方でも、やはり原料処理では人の手がかなり入っていました。
また、スピードもゆっくりで非常に丁寧に紙を漉かれていました。

左:少し見えにくいですが、インキなしの活版印刷でへこみを付けています
右:コットンの優しい手触りが特徴的です。

こちらもこれからの商品化となっていきます。
活版印刷を用いた味わい深い商品を多数生み出していこうと思っております。

まとめ

様々な取り組みをし続けている富士製紙さん。
海外への展開も積極的です。
我々も問屋として、こうした取り組みをするメーカーさんとともに発信をしていきたいと考えています。

 

以上、早く活版印刷を使った製品を作りたい大上でした!

富士製紙さんの和紙

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