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和紙使いとなりわい
芋づる式!和紙を知ると出てくる、ワクワクする紙製品のアイデア
どうも、和紙屋の大上です。
先日和紙田大學のデザイナーの竹安さんから、大上さんはおもしろ和紙問屋を目指すべし!
というありがたいお言葉をいただき、そうなろうと決意しました。(なにがおもしろいかはこれから考えます)
問屋という仕事は、本来は和紙を産地から仕入れてきて、それを必要とする方に販売することです。
offなどの最終製品は作っていますが、基本的には間に立つお仕事です。
我々にある強みって、和紙という素材の特性を知っていることなんです。
和紙っていうと、漠然と「こういうもの」というのが浮かぶかと思いますが、実に様々。
それらの特性を知っておくと、紙製品のアイデアの幅がどんどん膨らみます!
そこで、今回は和紙を考えるいくつかの切り口と、そこから出来そうな紙製品のアイデアについてです。
目次
・和紙は印刷できる
・和紙は縫製できる
・和紙は保存できる
・和紙は空間を作れる
・まとめ
和紙は印刷できる
我々が一番得意とする領域です。
全ての和紙が印刷できるわけではなく、印刷できる和紙がある、というのが正しい表現です。
和紙が印刷できること。一部の人にとっては当たり前ですが、ご存じない方も多い。
というのも、そもそもの種類や量が少ないからです。
知っていて検討していただいた方でも、
事例が少ない→仕上がりが見えにくい→いつもの紙にしておこうか
という循環になります。
弊社の製品や、またサンプル紙をお出しすることによって解決できることも多いはず。
学校の教科書の、和紙を紹介するというページに、実際に和紙を使ったという話を聞きました。
素晴らしいアイデアだと思いました。手で触れることで、学びの定着が格段に良くなりそうです。
ならば、本も和紙でも良くなるはずです。
色の再現性などは、洋紙に比べると落ちます。4色フルカラーが難しい場合もあります。
それでも、日本を紹介したモノクロの写真集や、純文学、マンガなど、和紙がぴったり合いそうな場面がいくつも浮かびます。
こうしたものをお考えの方、ぜひご相談ください。
ちなみに、前回のデザインのひきだしは、「和紙」特集。なんと、すべてのページに和紙を使用。
詳しくはこちらをご覧ください。
本文に使われた和紙は、弊社も扱っております。
和紙は縫製できる
これも、縫製できる和紙もある、というのが正しい表現。
和紙と言うのは繊維の絡まりで出来ています。
不織布という素材がありますが、これだって織っていない布という意味。
和紙と不織布は何が違うの?というと、明確には分けられません。
布製品や革製品を、そのまま和紙に置き換えて製品のアイデアを考えるだけで、いろんな幅が広がります。
手漉き和紙を縫製した製品は、植物から出来ているので、エコで伝統的。
色んなストーリーが生まれそうです。
まだまだ実用化出来ていない部分も多いです。
サンプルお出ししますので、ぜひ縫ってみてほしいです!
和紙は保存できる
ルーブル美術館や大英博物館など、世界の名だたる美術館で活躍するのが、修復用の和紙です。
中性で長期保存に向きます。
世界で一番古い印刷物も、「百万塔陀羅尼」という経典が書かれた日本の和紙です。
すでに1000年の保存が実証されている素材なんて、なかなかありません。
となると、1000年保存したいようなものにはぴったりです。
デジタルの保存が、どれくらい先まで持つのかはわかりません。
確実に何かを残したいなら、和紙。
1000年手帳とか、どうでしょうか。
先祖代々のお話が一望でき、子孫への歴史的なプレゼントになりそうです。
※例によって、すべての和紙が1000年持つわけではありません。
和紙は空間を作れる
物事を立体的に考えると、アイデアも膨らみそうです。
日本特有の文化に、障子やふすまがあります。
最近は和室が減りましたので、めっきり見なくなりましたが、
和紙が壁の役割をしていました。
紙一枚隔てた先が別の空間である。
これってものすごく面白いですよね。
和紙に大判インクジェットプリンターで、展示会用のポスターを作ってもらいました。
大変評判が良かったそうなのですが、これを四方に配置すれば、それはもう空間なのでは、と思いました。
和紙は軽く、持ち運びがしやすいので、一人メディテーションルームセットなんて、いいかもしれない!と思いました。
和紙の優しい質感、柔らかい光。すごく集中できそうです。
大判インクジェットでは、数mの印刷物も作成可能です。
まとめ
と、あれやこれやと妄想している日々です。
どれかに引っ掛かりを感じていただいた方、ぜひお問い合わせください。
出来ること、出来ないこと。そういったことも含めて、一緒に考えていければいいなと思っています。
アイデアと製品化の間には、深く険しい谷がありますが、たくさん考えて、一つ一つ超えていければきっと面白くなります!
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